夫は料理ができない。
できないし、正直やる気もない。
それなのに、結婚前はこんなことを言っていた。
夫1人暮らし長いから、料理くらいできるよ！
……いやいや。
1人暮らしが長い＝料理ができる、ではない。
実際、夫の一人暮らし時代の部屋はというと、
まあ、なかなかの汚部屋でして。
その汚部屋の住人が料理できるわけないだろ！！
と、全力でツッコミたい。
多機能電子レンジを欲しがる夫
新婚当初、夫と一緒に電子レンジを見に行った。
私はというと、「温められればそれでいい派」。
どうせ使うのは温め機能だけだし。
オーブンもスチームも、面倒だから使わない未来が見えている。
でも、夫は違った。
なぜかオーブン機能付きの多機能電子レンジを欲しがる。
まりもオーブンなんて使わないから、いらないよ？
とやんわり言ってみたところ、
夫俺が使うから！
と、謎の自信満々宣言。
……使わない人ほど、多機能を欲しがるのはなぜなのか。
多機能電子レンジで料理に挑戦した結果
そして購入から数年後。
ついにその時が来た。
夫がオーブン料理に挑戦すると言い出したのだ。
「これ作る！」と見せてきたレシピは、なんだかやたら手が込んでいる。
聞いたこともない調味料、買ったこともないスパイス。
まりもいや、オーブン使わなくていいからさ。
野菜炒めとか、簡単なのにしなよ？
と助言するも、完全スルー。
夫せっかくだからオーブン使う！
俺が作るんだからいいだろ！
……日頃料理しない人ほど、
なぜか最初から難易度MAXに挑む不思議。
まあ、本人がやる気なら止めるまい。
好きなようにやらせてみた。
結果は――ご想像どおりである。
料理失敗よりキツかった「その後」
出来上がった料理を一口食べた夫は、こう言った。
夫いや……食べなくていいよ。
弁当買ってくる。
なんだろう…かなりマズかった。
レシピ通りに作れば、普通は失敗しないと思うのだけど。
私はノータッチだったから原因は不明。
で、問題はここから。
台所が、地獄と化しているのだが！？
粉は舞い散り、調理台はベタベタ。
オーブン皿は重くてギトギト。
そして夫はというと――
失敗のショックからの、ふて寝。
……え？
これさー、私が片づけるの？
嫌だよ。
嫌だけど、夫に任せてもキレイにならない未来が見えている。
結局、私が後始末。
オーブン皿、重い・デカい・洗いにくいの三重苦。
さらに、二度と使われることのない高級そうな調味料たちが転がっている。
これ、無駄に高かったよね？
どうすんの、これ。
多機能電子レンジ、温め機能だけは優秀だった
そんな事件以降、
我が家でオーブン機能が使われることは二度となかった。
スチーム機能もあったけど、
水入れケースのお手入れが面倒で、もちろん未使用。
それでもこの多機能電子レンジ、
約10年間、温め機能だけは本当に優秀だった。
次に買い替えた電子レンジは、
私が一人で決めた「温め機能のみ」のシンプルタイプ。
ところがここで気づく。
多機能電子レンジは温める時に温度設定までできるのだ！
牛乳65℃、みたいな。
しかも、何分の温めでもピッピッとすぐに設定できる。
今の電子レンジは、目的の分数までダイヤルをグルグル回さないといけないんだよね。
最初はそのギャップに戸惑ったけど、今ではすっかり慣れた。
ちなみに夫は、いまだに使い方がよく分かっていないみたいだけどな！！
そして当然のように、
あの日以降、夫が料理をすることはなかったのであーる。
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