頭の中にはちゃんとある。
イメージも手順も、全部見えてる。
なのに、いざ口を開くと——
「ピッとして、バババッてやればできます」
…………自分でも何言ってるか分からない。
ミーティングで突然「説明して」と振られた瞬間、
脳がフリーズして出てくるのはオノマトペだけ。
そんな経験、ありませんか?
ご安心ください、私もそんなタイプです。
前回の記事で「業務説明は大の苦手」と書きましたが、

ほんとうに突然話を振られると、言葉が出てこない。
頭の中にあるものを、瞬時に言語化することができないんです。
ただ——準備する時間さえあれば、話せます。
むしろ、そこそこ戦えます。
言語化が苦手な人は、
「即答できない」だけで、「伝えられない」わけじゃない。
今回は、そんなことを自分の体験をもとに書いていこうと思います。
なぜ突然話を振られると話せない?言語化が苦手な人の脳内で起きていること
まず、「なんで急に振られると詰まるんだろう?」という話から。
これ、怠けてるわけでも、考えてないわけでも、
緊張しすぎなわけでもなくて——
「思考」を「言語」に翻訳する作業が、思った以上にエネルギーのいる作業だから
なんです。
頭の中にあるのは、鮮明なイメージや感覚。
それを「他人に伝わる言葉」に変換するには、
「どう説明すれば伝わるか」「どの順番で話すか」「どんな言葉を選ぶか」
を瞬時に組み立てる必要があります。
準備の時間があればこの翻訳作業をゆっくりできるけど、
突然振られると翻訳が間に合わない。
結果、脳がエラーを起こして出てくるのが
「ピッとしてシュッとすると出来ます」です。
しかもこれ、もう一つやっかいな理由があって。
少なくとも私の場合は、
最短ルートが見えているのが原因かもしれないな、と思ったり。
「見れば分かるじゃん」「やってみれば分かるじゃん」
という感覚がどこかにあって、
一歩ずつ丁寧に説明することが、むしろ苦痛だったりする。
なんで説明しないといけないんだろう、
という気持ちが、言語化をさらに邪魔するという…
欠点というより、ある種の脳のクセ。
そう思うようにしたら、少しラクになりました。
数分あれば別人|言語化が苦手でもうまく話せる理由
とはいえ、「じゃあ一生うまく話せないの?」
というと、そんなことはありません。
私の場合、テキストでのコミュニケーションは口頭より得意です。
仕事上のやりとりでも、
SlackやTeamsなどのチャットツールでテキストを打ちながら
「あ、この言い方の方が伝わるな」と修正できるから、
頭の中のイメージを言葉に変換する時間が取れる。
口頭より圧倒的に自分の考えを出せる実感があります。
そして口頭でも、数分の準備時間があれば話が変わります。
保護者会や児童館の交流会等で自己紹介するときも、
事前に「冒頭の掴み」と「最後のオチ」さえ考えておけば、
笑いまで仕込めるくらいには話せる。
即興はダメでも、準備があれば戦える。
そのことを一番実感したのが、派遣社員時代のプレゼンです。
産休まで続けられた、いろいろやらせてくれる会社で、
社内の娯楽型プレゼン大会に参加したことがありました。
テーマは「1年間の仕事の振り返り」。
以前書いた通り、珍しく長く続いた会社です。

社員さんに教えてもらって、生まれて初めてパワーポイントでスライドを作りました。
スライドの出来は……まあ、微妙でした(笑)。
でも、スライドは図だけシンプルにまとめて、
あとはトークで勝負することにしたのです。
私は事務職、他の参加者は全員技術職。
まともに仕事の話をしてもかなわない。
なので、テーマを変えました。
「社員のみなさんの行動によって、私の業務量がどれだけ増減したか」です。
自分の業務量の増減をグラフにして、
「なぜここで業務量が増えたか?それは〇〇さんがこうしたからです」
と笑いを取りつつ、
業務量が少ない時期は「社長の許可をもらって資格の勉強(FP2級)をしていました。おかげで合格できて、仕事にも活かせています」と綺麗に締める。
結果——少人数の会社とはいえ、
正社員のみなさんを抑えて、派遣の私がちゃっかり最優秀賞を取ってしまったのです。
賞金5000円、GETだぜっ!
話す内容を自分の土俵に引き込んで、
構成を練って、笑いどころと落としどころを用意する。
準備があれば、こんなことができます。
口がダメなら視覚で勝つ|言語化が苦手な人の対処法
とはいえ、いつでも準備時間があるわけじゃないし、
突然「説明して」と言われる場面はなくなりません。
そういうときに私がたどり着いた対処法が、
「視覚に訴える」です。
とある会社の営業経理課で働いていたとき、
暇つぶしで作った管理資料を、
担当していた営業課に配ったら、思いのほか好評で、
営業経理課全体の通常業務に取り入れることになったことがありました。
すると当然、「その資料、どうやって作ったか説明してほしい」という流れになる。
口頭での説明は難ありの予感がしました。
なので、口で説明するのをなるべく減らして、
説明用の資料を別途作って、視覚で伝える戦略に切り替えました。
言語化が苦手なのは自分でよく分かっている。
だからこそ、言葉に頼らない方法で補う。
これ、弱点を嘆いているのではなく、
自分のスペックを把握して道具を使っているだけなんです。
「口で無理なら、目で伝えればいいじゃない」
というシンプルな発想の転換です。
言語化が苦手でも大丈夫|自分の特性を活かす考え方
言語化が苦手な人に伝えたいのは、
「即答できないこと」と「伝えられないこと」
は、まったく別だということです。
準備があれば話せる。
書けば伝わる。
視覚で補えば説明できる。
自分の脳のクセ(スペック)を知っていれば、
時間や資料という道具を使って補うことができます。
「できない」のではなく、「そのままの状態ではできない」だけ。
やり方が合ってないだけで、能力がないわけじゃないんです。
「ピッとしてバババッ」しか出てこないのは、
翻訳の時間が足りていないだけ。
時間と準備さえあれば、
派遣社員が正社員を抑えて賞金5000円をGETできるくらいには、戦えます(笑)。
できないことを嘆くより、
「どうすれば自分は発揮できるか」
を知っている方が、ずっとラクに生きられる。
同じ悩みを持つみなさんも、準備さえすれば大丈夫。
一緒に、自分のスペックをうまく使っていきましょう。
それでも無理なときは、得意な人にお任せしちゃいましょう。
人には適材適所がありますからね。
……それでいいのだ、くらいの気持ちで。


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